黄金の村のゆず物語

黄金の村のゆず物語
著/麻井みよこ
絵(版画)/保立葉菜
出版社:ポプラ社
定価:定価1,980 円(10%税込)
発売:2022 年11 月14 日
ISBN:9784591175286

内容紹介 Introduction

1960年、徳島県⽊頭村。
主だった産業のないこの村に
⼀⼈の破天荒な農業技師が現れた。
その名は⾅⽊弘さん。
⾅⽊さんは村人たちの貧しいくらしをすくうため、
村の特産品として「ゆず」に⽬をつけた。
ところが、「ももくり3年かき8年、ゆずの⼤ばか18年」といわれるくらい、
ゆずは成⻑のおそい果物。その栽培技術の確立はけっして容易ではなかった。
はじめはゆずの苗⽊開発に乗り気では
なかった村の⼈々。
でもしだいに⾅⽊さんのまっすぐで豪快な⼈柄にひかれ、
やがて協⼒するようになっていく……。
はたしてゆずは村の特産品になるのか︖
⽇本ではじめてのゆず栽培に挑む⼈びとをいきいきと描く。

もくじ Table of contents

プロローグ
パティシエの
国際コンクールで
01.
さすらいの家庭教師
02.
ももくり3年かき8年、
ゆずの⼤ばか18年
03.
⻩⾦の村をめざして
04.
⽊頭ゆず、
⽇本のゆずになる
エピローグ
ゆずの⾹りは
時代をこえて

⽊頭紹介PV Table of contents

コメント Comment
  • 著者
    ⿇井みよこ 木頭ゆずを知ってから、ふしぎなくらいに夢中でした。
    「ゆずってすごい!」「育てた人たちもすごい!」そうたくさんの人に伝えたくて、夢中で書いてはやり直し、手をさしのべてくださる方の力も、ずうずうしいほどお借りしました。子どもたちに贈るこの本では、夢追う大人のかっこいいすがたを見てもらいたいなと思います。そして「かっこよさって、やさしさのことなんだ」と、ゆずの香りのように、ふわっと心にすいこんでもらえたらうれしいです。
  • 絵(版画)
    保立 葉菜 物語終盤の、臼木さんと藤田さんがゆず畑に寝ころぶシーンが私は好きです。
    読んでいて、自然豊かな木頭と村人に対する臼木さんのあたたかなまなざしが伝わってきます。私もその場に居合わせているような気持ちで絵をおこしました。制作をきっかけに、散歩中など住宅街に点在するゆずの庭木に自然と目が向くようになりました。
  • ポプラ社
    編集者 臼木弘さんという一人の革命家を賛美するのではなく、木頭村の人々の結束(絆)を描いているところに、この物語の力強さがあると感じています。
    高度化・複雑化した社会では、一人の力で解決できることは限られています。本書は、これからの社会を生きていく子どもたちに力を与えてくれるものと思います。
レビュー Review
レビュアー(ブロガー)
ゆずの栽培から販路を広げるまでの人々のこころを伝播する2人の男性。貧しさを放っておけないという白木さんと木頭を黄金の村にしたいという藤田さん人の熱意と意欲には計り知れないものがあり、周囲を次々と変えていきます。
「黄金の村」とは、まさに村人が一丸となった結晶の証でしょう。ゆずの重みをひしひしと感じた1冊で、これから入浴時などにも大活躍するゆずを大事に使わせていただきます。
レビュアー(ブロガー)
今ではゆず由来の食べ物、飲み物のみならず、入浴剤など、味だけではなくその香りを楽しむ果実として、知らない人はいないと言っても過言ではないゆず栽培が、こんなに過酷な試練を経ていたなんて仰天しました。木頭村の天然のゆずの試行錯誤の苗木開発、販路の拡充、他地域への普及の協力、ゆずで食べられる村にするために奔走した臼木さん、そして藤田さんの熱意が広がっていくさまに胸を掴まれました。
35年の長きに渡り、木頭村のため尽力した臼木さんの絶対に諦めない姿勢には、多くの学ぶところがあります。ゆずを日本国中に広めた木頭村が地図の上から消えようとも、その功績は受け継がれて語られるべきものでしょう。
レビュアー(一般読者)
とても清涼感のある、清々しい物語でした。
何か新しいことをする時には、やはりそれなりの熱量であったり、努力が必要だと思います。この物語でも、そういった面がしっかり描かれています。現代では、泥臭い努力がやや敬遠される風潮があります。しかしながら、この物語では、やっぱりそういったものも素晴らしいんだぞと、熱く感じることができます。
全体の文章量はそこまで多くないので、サクサクと読み進められます。小説というものをまだ読みなれていない子が、最初に手に取るものとしてはちょうどいい分量のような気がします。しおりを挟みながら、数日かけて読む本の楽しさを味わってくれたらいいなと思います。
レビュアー(一般読者)
麻井みよこさんの『奇跡の村』を以前読み、その努力、苦労とたゆまぬ挑戦がとても心に残っていました。その児童書ということで今回は子どもたちが読むという視点で読ませていただきました。
長さも内容も読みやすく、臼木さんが起こした木頭村のゆずの村になるまでの村の人との協力や努力、また料理人やパティシエにより、ゆずが馴染みのないものからより身近に価値あるものになっていくのがよく分かりました。
またその技術や知恵を他の村などへも教え、さらに広めていく努力を知り、是非多くの子どもたちに読んでほしいなと感じました。

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黄金の村のゆず物語

『黄金の村のゆず物語』

著/麻井みよこ
絵(版画)/保立葉菜
出版社:ポプラ社
定価:定価1,980 円(10%税込)
発売:2022 年11 月14 日
ISBN:9784591175286

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原作 Original

『奇跡の村 
木頭と柚子と命の物語』

著/麻井 みよこ
監修/臼木 弘
出版社:KADOKAWA
定価:定価1,980 円(10%税込)
発売:2020年11月3日
ISBN:9784048843768

あらすじ

―――山奥は”過疎”ではなく、”適疎”。時代の評価軸が回るとき、逆転の扉が開く―――(藻谷浩介氏寄稿の帯文より)
 昭和35年、徳島県のさいはての山村・木頭に赴任した一人の青年農業技師。彼は行きづまる村の未来を救おうと、前途をなげうって村に移住する。そして、村中に自生する極上質の天然柚子に希望を見いだすと、農業技術を駆使して、日本初の柚子栽培にいどんだ。「桃栗3年、柿8年、柚子の大ばか18年」ともいわれる柚子は、「栽培化は絶対不可能」が定説だった。だれもが(無理だ)と思う中、彼と村青年たちは粘りづよい説得で徐々に仲間をふやし、やがては日本全国に柚子栽培ブームをまきおこす。木頭は、日本最高峰のブランド柚子産地にまでのぼりつめた。
 しかし、一度は明るい未来に手をかけたはずの村人たちを、ダム建設という国策が無慈悲にのみこんでゆく。

そして、村を分断する激しい対立のはてには、胸をえぐるような悲劇が―――さらにラストには、予想もつかない逆転の展開が待ちうけていた…!
過疎高齢化、産業崩壊、自然破壊……四国の美しい自然を舞台に、心やさしき人びとに贈る、愛と感動の実話小説。

徳島県チェーン書店 平惣にて、史上初2年連続年間ベストセラーを獲得。

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